投資と育児とトレーニング

40歳で5000万円、50歳で1億円を目指すブログ

『お金持ちの教科書(加谷 珪一)』 当たり前だけど重要な考え方

だが、お金持ちの人たちに特有の思考パターンや行動原理というものが存在することは、ある程度はっきりしてきた。
(略)本書は、こうした法則性をわかりやすく解説したものである
(はじめに)

まえがきにあるように、お金持ち(本書では資産1億円以上の人)の行動原理を紹介しながらお金持ちになるための方法を語る本。
おおよその内容は当たり前と思えるものだったけれど、いくつか面白いと思ったフレーズがあったのでコメントしておこう。


お金持ちが他人に報いる場合には、「感謝」ではなく「お礼」をするのだ。
(お金持ちは人に感謝しない)

これはなるほどと思うと同時に、今までの自分のやり方は間違っていなかったとも思えた。
地方都市に住んでいながら車を持っていないので、通勤時の急な雨や遊びに行くときなどは誰かの車に乗せてもらっている。
このようなときは言葉だけでなくお礼としてお金を渡すようにしている。
程度によって缶ジュース程度から1000円、5000円くらいまで幅はあるけれど、タクシーを考えると安い。
結局のところ、どちらかが持ち出しっぱなしの片務的な関係は長続きはできない。
もちろん別のところでお返しすることでうまく回る関係はあるだろうけど、「してあげたことは覚えて、してもらったことは覚えていない」というのは人間の性なので、一回毎に精算できるならそのほうがわかりやすくて不満も溜まりにくい。


「お金を儲ける能力を身につけるには、お金儲けをするしかない」
(勉強ができるとお金持ちになれない、という「噂」を検証してみる)

何事もやってみないと成長しないというのは本当にそのとおり。
逆に言うと、やっていれば程度の差はあれ成長する。
若いうちから投資をすべきという言説には、複利効果を最大限に利用できるからという理由が付けられることが多いが、一番は失敗しても取り戻せるからだと思う。
少し話は変わるけれど、自分は質問力も質問しないと身につかないと考えている。
後輩には頓珍漢な質問をしても許される若いうちに積極的に質問すべきだと伝えているがみんななかなか質問しない。
馬鹿に思われるのは誰だって嫌なものだけど、いつかどうせ思われるなら早いうちがいいのにね。


投資とは、将来の利益のために、損するかもしれないというリスクを覚悟で、いまお金を投じることである。
お金とは不思議なもので、お金に対して執着がありすぎるとお金持ちになれないのだ。
(割り勘男がお金持ちになれない理由)

たかだか2000万円の投資額でも、一日で月収くらい上下することはよくある。
どこかで自分の資産ではなくただの数字と思えないと、枕を高くして寝られない。
これは、よくあるリスク許容度とはちょっと違った概念だと思う。
お金を失うことに対する恐れを、理論と確率でどこまで突き放して考えられるかが重要で、その根本には最悪お金がなくなっても、それはそれで楽しく生きていけるという自分と世界への楽観的な自信を持てるかによるのだろう。


ポートフォリオを組んで意味があるのは、億単位以上のお金を運用する投資家だけである。
(略)比較的まじめな投資本にあるような、企業の長期的な成長にかけるタイプの投資で大きな財をなした人はほとんどいない。
(株で儲けた人は、どんな投資をしているのか)

これは、ポートフォリオを組んで意味があるのは、資産をなくさないことを重視する場合だけであると言ったほうが正確だろう。
分散投資をすればリスクは減るのは当たり前で、ここでいうリスクは標準偏差のことであるから、つまりは大損がないかわりに大儲けもなくなるということ。
資産をなくさないことを重視する場合としては下記の2種類が考えられる。
①すぐ未来に大きな出費が見えている場合
②(給与などが無く)投資資産に追加投入できない場合
さて、自分の現状を考えてみると、
①家族資産は子育て費用などある程度の出費が見えている
②給与は基本的に家族資産に入るので、独身時の資産にはほとんど追加できない。
となり、どちらもポートフォリオを組む意味がある。
もちろん、一攫千金や30代アーリーリタイアは狙えない・狙わないということはきちんと納得する必要があるが。


全体的にまぁそうだよねという感想を持ったが、逆に言うと自分の今の考え方がそう間違ってはいないことが確認できたのはよかった。
「お金で幸せは買えないが、不幸を減らすことはできる」という真理はいつも意識しておきたい。